中里 希
ことり食堂 店主
Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。
*読むたび響く箇所が少しずつ違います。
Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。
5年前、定食屋を始めた。
料理が出来なかった私がまずしたことは、近所で働く友人たちに全力で頼ること。試食してもらい(お代をいただき)、出た意見は片っ端から試して、ダメならすぐやり方を変える無我夢中の日々。
決めずに始めた店名は、4ヶ月経ったときに友人が付けてくれた。少しずつ増えていったお客さんの中には、家庭で食べきれない食材をおすそ分けしてくれる人や、展示やトークイベントをしてくれる人、仕事を一緒にするようになった人もいる。
オープン当時に見守ってくれていた人達は、揃って「ツッコミどころしかない店だった」と言う。「それがよかった」とも。
この本を読みながら、その頃を思い浮かべる言葉にいくつも出会った。
私自身も含め、お店に関わる人達は、つくり手であり読み手であり、つまりは登場人物だ。
小さなお店で起こる、小さな出来事。それについて語る彼らの表情を見るとき、これからも、その「変容」は彼らとともにあるのだと思う。
「100の読者、100の経験」の詳細はこちら