100の読者、100の経験[059]


白川 早良

 

劇場・演劇担当

2018年7月31日 自宅リビング一番上の棚
2018年7月31日 自宅リビング一番上の棚

Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。

—————— つまり、多くの小規模印刷物は、未確認飛行物体(UFO)のようなものじゃないでしょうか。

p26 5行目]

 

Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。

 

「言葉の宇宙船」を送っていただきありがとうございました。金色の帯に包まれた本は不思議な存在感があり、持っているのが嬉しくなります。芹沢さんと港さんが印刷物と「未知との遭遇」されたこと、おもしろく読みました。

 

その昔、多摩ニュータウンが出来たての頃、真新しい一室に入居した私の両親は、早速本棚を買い揃え、本を並べました。小さな私にはその背表紙が「未知との遭遇」でした。母親の好きな近現代の日本の作家の本が多かったかな。安部公房の『箱男』とかタイトルがすごすぎて小学生の頃勝手に読みました。

 

母親になった今、私と同じような体験を子どもにもしてほしくてリビングの本棚に本を並べているけれど、一向に手に取らない。何が違うんだろう? 思えば、あの頃の私は団地の一室の青いカーペットが敷かれた四畳半の狭い部屋にぎっしり並べられた本たちに見つめられて静かに興奮していたのかもしれない。手を伸ばすだけで未知の何かが手に入りそうな……。



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