100の読者、100の経験[045]


菅野 信介

 

建築家/AM-A-LAB/Hand Saw Press

2018年2月14日 Hand Saw Press DIY工房
2018年2月14日 Hand Saw Press DIY工房

Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。

—————— 生物進化でも平衡状態になって動きが止まってしまうと、袋小路に入ってしまう。ある種のアンバランスだからこそ、高いほうから低いほうへとエネルギーが流れていく。なので、メタバランスというか、バランスとアンバランスのあいだのそのまたバランスを取っていくというようなことが、これから必要なんじゃないでしょうか。

[p82 1行目ー7行目]

 

Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。

 

大学で建築を学んだ後、幾つものわらじを履きながら、建物をはじめ屋台や半パブリックスペースなど、まちの景色に如何に関われるかを、自分の生活圏で模索してきた。

 

週末にジャークチキンを販売しながら、建築家としてシェアハウスの可能性も探る「アマラブ」。そして現在、まちに住む方々と共同でリソグラフの印刷所兼DIYスペース「Hand Saw Press」を運営している。

 

建物の設計や人と何かをするとき、未知の部分がエネルギーになっている。未知とか勇気とか言葉にしにくい抽象的なこととか、なるべくたくさん取り入れて仕事をしていきたいと思った。頭も身体もすべて使って考えることがバランス(アンバランス)の取り方なのだと思う。

 

本を作ったことはないけど、「本作り」に多面的に議論や考察があり、オープンソースのような「本の作りかたの本」。芹沢さんが訳された「宇宙船地球号操縦マニュアル」は強く自分の人生に影響を与えていて、その読書体験を経て「言葉の宇宙船」を読んだ。探究は果てしなく続くのだな、という途方もない気持ちと同時に、勇気づけられる。



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