100の読者、100の経験[036]


寺島 千絵

 

京都:Re-Search 地域アートマネージャー/エデュケーター 

2018年1月30日 京都府福知山市へリサーチに向かう電車の中で
2018年1月30日 京都府福知山市へリサーチに向かう電車の中で

Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。

—————— クレジットは、責任の所在を明らかにするだけではなく、感謝の気持ちやそのとき誰に関わったかという記録を残す場所でもある。「誰が」この本をつくっているのか? 読者もその一人ではないか?ほんとうは、映画のエンドロールにように長くなってしまうものかもしれない<川村>

[p152 20行目ー24行目]

Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。

 

普段、私はある地域に移り住み文化事業を行っています。外から入りこんでくるアーティスト、中で住み働く市民、それらに関心を持って内外から集まってくるひとびと。それらをつないだり、ひらいたり、簡単にはそういう取り回し役です。

 

まちなかで事業を展開するには、さまざまなコーディネートが必要とされ、そこに関わるひとというのは数知れず。小さな箱一つ開けるのにも、その間には多くのひとが絡み実現するわけですが、その作品がオープンになったとき、それまで関わったひとの働きは大半、表には出てきません。

 

私の尊敬するアーティストに、ひとを巻き込むことが本当に上手なひとがいます。今思えば出自が映像だったりして、彼にはエンドロールまでが見えているのではないか、とこの文章を読んでなんだかとても腑に落ちたりしました。何かを生み出すひとにそのエンドロールまでが見えているのならば、また消えてなくなる作業でも頑張れるのかもと。



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