100の読者、100の経験[033]


水越 麻由子

 

今野書店 文芸書担当 

2018年1月27日
2018年1月27日

Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。

—————— 芹沢|言葉も書かれているけれど、やはり物質的な塊ですよね。そうすると当然、その本自体も年を取っていくし、自分の肉体がその物質と出会って、一緒に同じように年を取っていく。だから、ある言葉が合言葉として聞こえてくると、その本と出会い、歩んだ自分の人生が紐づいてきて、ただのキーワードを共有した以上の何かが生まれてくるんじゃないだろうか。

[p93 13行目

Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。

 

仕事柄当たり前の日常として身を置いている書店や、毎日手にしている本への見方を解体し、再定義していく議論を眺めているうち、忘れかけていた本への飢餓感がよみがえってきた。この物質は私たちの生にとって紛れもなくなくてはならないものであり、最高の伴侶なのだと。

 

硬直化した出版業界を脇目に、著者や編集の方たちにしかできないやり方で、新しい本のつくり方を模索していく過程も刺激的だった。書店という外縁として、私も本の届け方を模索していけたらいいのだけど。



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