100の読者、100の経験[018]


新見永治

 

パルル/のわ

2017年8月22日 名古屋市中区 パルルにて
2017年8月22日 名古屋市中区 パルルにて

Q1:本書を読んで印象に残っている一文があれば教えてください。

—————— わたしたちの本のつくり方

[書籍のタイトル]

Q2:その一文から感じたこと、思ったこと、考えたことを教えて下さい。

 

政治であれ経済であれ人の営みは、ここしばらく強力なリーダーの元で可能な限り規模を拡大する方向で進められてきた。そして最近になってその限界に人は一様に気づき始めた。これまではいかに勝つかという戦法が問われていたのに対して、営みの仕組みやルールそのものを見直そうという動きが始まってるのではないか。

 

「言葉の宇宙船」は「つくり方」という言い方で本の仕組みを正面から問いかけようとしている。そのタイトルを耳にしただけで、完成が待ち遠しかった。言うに及ばず書籍を取り巻く環境も大規模化の一途を辿り、そして今大きな曲がり角に来ている。

 

勝つための戦法は私たちを駆り立てる。人は短絡的で一直線に走ってきた。一方で仕組みを考えるとはどういうことだろうか。そこではあらゆることの本質が深く繰り返し問われるのではないか。いま本と呼ばれているものは本当に本なのか。いま政治や経済と呼ばれているものは本当に政治や経済なのか。

 

このことを「言葉の宇宙船」は至るところで様々な表現で変奏しながら伝えている。とても勇気を与えられる。



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